2020/06/10 『I・Bまちづくりvol.24』に岡本成史弁護士の執筆記事が掲載されました。
㈱データ・マックス発刊の『I・Bまちづくりvol.24』の「建設・不動産業界 法律相談 弁護士が語る知っておきたいトラブル予防」のコーナーに,「新型コロナ被害と賃料減額」という記事が掲載されています。
新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が延長され、営業自粛が長期化するなかで、固定費である家賃の支払いについて、家賃の減額や支払猶予ができないのかという点について次のように解説しています。
家賃は家主(不動産所有者)と借主との間の賃貸借契約に基づき合意された金額ですので、「コロナウイルスの影響で休業せざるを得ない」「売上のメドが立たず支払い原資を確保できない」といった理由のみで、借主が一方的に賃料の減額などをすることはできず、原則として家主との合意が必要です。多くの契約書でも「協議の上、賃料を改定することができる」などと規定されているのではないでしょうか。
なお、借地借家法32条1項には賃料減額請求という制度がありますが、この制度を利用しても、まずは調停を申立て、調停で解決できない場合は訴訟を提起するという流れになるため、裁判所の判断(判決)が出るまでに相当時間がかかってしまいます。そのため、迅速な対応が必要な現在の状況では、十分に機能しません。
そのため、借主としては、賃料の減額などを家主に申し入れ、粘り強く交渉し、減額などを合意する必要があります。この場合、漠然と減額などのお願いをするのではなく、経営の窮状を正しく理解してもらうことが必要です。そのうえで、賃料の減額などが得られなければ借主も倒産や退店せざるを得なくなるなど、現行賃料の維持に拘泥すると結果として、家主にとってもデメリットになることを理解してもらうことが重要です。現実にリーマン・ショックを経験された家主は、退店後、長らくテナントが入らず、また大幅な減額で新テナントを募集せざるを得なかった経験から、減額などに応じておられる例も相当数あります。
また、漠然と減額などのお願いをするのではなく、たとえば「3カ月間に限り、30%の減額」とか、「年末まで、家賃の半額については支払い猶予」というように、期間と金額を限定するなどして具体的に申し入れたほうが、家主も応じやすいのではないでしょうか。
『I・Bまちづくり』は,九州の建設・不動産業界に焦点を当てた情報誌であり,九州で注目の再開発や熊本の復興状況、地方の魅力あるエリア、注目サービスや注目企業を取り上げています。
なお,執筆した記事の内容は㈱データ・マックスのサイトにも掲載されています。
https://www.data-max.co.jp/article/36084
新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が延長され、営業自粛が長期化するなかで、固定費である家賃の支払いについて、家賃の減額や支払猶予ができないのかという点について次のように解説しています。
家賃は家主(不動産所有者)と借主との間の賃貸借契約に基づき合意された金額ですので、「コロナウイルスの影響で休業せざるを得ない」「売上のメドが立たず支払い原資を確保できない」といった理由のみで、借主が一方的に賃料の減額などをすることはできず、原則として家主との合意が必要です。多くの契約書でも「協議の上、賃料を改定することができる」などと規定されているのではないでしょうか。
なお、借地借家法32条1項には賃料減額請求という制度がありますが、この制度を利用しても、まずは調停を申立て、調停で解決できない場合は訴訟を提起するという流れになるため、裁判所の判断(判決)が出るまでに相当時間がかかってしまいます。そのため、迅速な対応が必要な現在の状況では、十分に機能しません。
そのため、借主としては、賃料の減額などを家主に申し入れ、粘り強く交渉し、減額などを合意する必要があります。この場合、漠然と減額などのお願いをするのではなく、経営の窮状を正しく理解してもらうことが必要です。そのうえで、賃料の減額などが得られなければ借主も倒産や退店せざるを得なくなるなど、現行賃料の維持に拘泥すると結果として、家主にとってもデメリットになることを理解してもらうことが重要です。現実にリーマン・ショックを経験された家主は、退店後、長らくテナントが入らず、また大幅な減額で新テナントを募集せざるを得なかった経験から、減額などに応じておられる例も相当数あります。
また、漠然と減額などのお願いをするのではなく、たとえば「3カ月間に限り、30%の減額」とか、「年末まで、家賃の半額については支払い猶予」というように、期間と金額を限定するなどして具体的に申し入れたほうが、家主も応じやすいのではないでしょうか。
『I・Bまちづくり』は,九州の建設・不動産業界に焦点を当てた情報誌であり,九州で注目の再開発や熊本の復興状況、地方の魅力あるエリア、注目サービスや注目企業を取り上げています。
なお,執筆した記事の内容は㈱データ・マックスのサイトにも掲載されています。
https://www.data-max.co.jp/article/36084